旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

雀とり

昨日の便りに、DVDを買うのは二度目と書きましたが、よく考えてみると三度目でした。「タカダワタル的」と「枝雀十八番」の間に、キヨシローの復活ライヴのDVDを買っているのです。
ますます物忘れがひどくなっているようで、平にご容赦ください。


さて「枝雀十八番」、最初に見たのは「鷺とり」でした。というのは、私の枝雀初体験の演目だったからです。
そのときは米朝師匠との親子会だったのですが、いやー、笑いました。腹の皮がよじれるというのは、あのことをいうのでしょう。
本題の鷺とりよりも、その前の雀とりが出色でした。とりわけ江戸っ子の雀の登場に、涙を流して笑いました。
こぼれ梅を食べるかどうか躊躇している浪花っ子の雀たちの前に、はるか辰巳の方角からさっそうとあらわれ、「おうっ、おめっち何してんだい」と歯切れのいい(?)江戸弁でまくしたてる、あのせっかちな雀です。
また、それを受ける浪花娘の雀がいいんです。東男に京女ですね(京都じゃないって)。


私、枝雀さんの江戸弁や現代東京ことばが大好きでした。あれを聞くと、東京のことばって気取っているんだなとつくづく思ったものです。関西の人にはそう聞こえるだけのことなのでしょうが、東京人に対する軽い揶揄もそこにあり、それが妙にここちよかったのです。


枝雀さんの落語は、晩年になるほど表現が大げさになっていったことを、「枝雀十八番」を見て知りました。私はそれをよしとします。