旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

この三人の関係は?映画「終電車」

フランソワ・トリュフォーのボックスセット「14の恋の物語」を買いました。12枚組です。
字幕の翻訳は山田宏一、特典映像もトリュフォーへのインタビューなど、盛り沢山です。
最初に見たのがカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「終電車」。劇場公開時にあれっと思ったラストを、まず見たかったのです。


舞台はドイツ占領下のパリで、ドヌーヴ扮するマリオンは劇場を経営している女優です。もともとユダヤ人の夫、ルカ・シュタイナーの持っていた劇場なのですが、彼は南米に逃亡したと噂されています。が、ルカは劇場の地下室に隠れていたのです。


「消えた女」という芝居を上演するための稽古が始まりました。マリオンの相手役は怪奇劇で骸骨を演じていた大柄な俳優、ベルナールです。
彼は女性を見れば口説くという軽薄な男なのですが、なぜかマリオンにはそうしません。もちろん夫のいる彼女はベルナールを俳優としてしか見ていません。


ところが、です(こーならなければドラマは始まりません)。
大成功した初日、幕が下りるとマリオンはベルナールを抱きしめ、唇に熱いキスをしたのです。しかし、ふたりの関係はそれ以上には進みません。


実はベルナールはレジスタンスに加わっていました。仲間が目の前で捕まったのを見た彼は、劇場に危害が及ぶことを恐れ、役を降りるとマリオンに告げました。
代役が決まり、劇場を去ろうとする彼にマリオンは愛の告白をしました。それだけでなく‥‥。
さて、地下室の夫はどうなるのでしょうか?


ドイツの敗戦が確実となったころ、劇場ではマリオンとベルナールが別な芝居を演じていました。このシーンに仕掛けがあり、はじめは実際に怪我をして入院しているベルナールを、マリオンが見舞いに来たように見えるのです。
ところがいつのまにかふたりの会話はセリフのようになり、背景は書き割りに変わっているのです。もちろん病院ではなく舞台の上です。
芝居が終わりました。なんと桟敷にはルカがいます。マリオンはルカを舞台に呼び、三人が手を繋ぎカーテンコールに応えているシーンで映画は終わります。


さて、この三人はどんな関係になっているのでしょうか。