二冊の「俳句の世界」

そろそろ俳句とやらを読みはじめないと、読まずに死んでしまいそうだ。なんてことを柄にもなく切実に思ってしまいました。和歌だってまともに読んでないくせにね。
書棚をあさると俳句入門に向きそうな同名の本が二冊みつかりました。山本健吉と小西甚一の書いた「俳句の世界」です。
俳句に関する本を読まなかったわけではありません。安藤次男の「連句入門」を随分と昔に読み、驚嘆した覚えがあります。
その本ではありませんが、安藤は山本健吉に俳諧のおもしろさを教えられたと書いていました。そうならまず山本本（やまもとぼん）を読むべし、です。
ところがこれがだめだったのです。私には、という限定がつきますが。
文体が下卑ていて、まずそれに拒否反応がおきました。それと、読み進んでも俳句とは何かが一向にわからないのです。で、小西本に交代です。
俳諧と俳句の二部にわかれていて、粗雑な私の頭でもその違いがよく理解できました。あのお茶目な文体もいかしています。原著はなんと私の生まれた1952年に出ていました。
でも、もう一度山本本に戻ってみるつもりです。そして「連句入門」を再読し、安藤の大著「完本　風狂始末」に挑むことにします。実はこれ以外に山本の「現代俳句」二巻も手許にあるのです。積ん読王と呼んでください。
また読書のラインが増えてしまいました。それに専念すればいいのですが、ぼけっとしている時間が多くなっているような気もします。どのみちはんちくな人間ですから、かまわないことにいたします。