旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

オラは浪人

長屋暮らしの浪人になった夢を見ました。時代劇の夢、見たことあったかな?
時代は江戸後期、私は親の代からの浪人で、仕官したことは一度もありません。剣術はやったことがなく、おそらく刀も持っていないのでしょう。寺子屋で教えられるほどの学問はなく、力仕事は嫌いです。年は若く家族はありません。
かといって、尾羽をうち枯らしたような生活ではありません。傘張り浪人ではないのです。扇や傘、着物に自己流の絵を描いてたつきを得ています。でもそれに精進し、一家を成す気なんてとてもとても。
楽しみは一、二合の晩酌です。夕方になると近所のおかみさんがお菜を持ってきてくれるなんてことはなく、目刺しをあぶって肴にし、湯漬けをかっこめば一日は終りです。世捨て人というわけではなく、仕事依頼以外の人もたまに訪れ、世間話をしていきます。ずっとこんな生活をしていますので、それで十分満足しているようです。
今の悩みは髪型。武士の髷はやめたいのですが、どうしたらいいか決まらないのです。坊主はヘンだし、総髪は似合わないし、ザンギリ頭はまだその時代が来てないし、だったら茶筅にしてみようかな。
世は幕末となり彼でさえもその嵐に巻き込まれていくのであった、なんて展開にはなりそうもありません。御一新後も同じように生きているはずです。