旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

やったことのないことはやらない方が

仕事をやめたとき、誰もがそう考えるのでしょうが、今までやったことのないことに挑戦してみたくなりました。でもすぐに断念しました。飽きっぽい性格を自覚していたからではありません。
私はギターとベースをそれなりに演奏できます。もし知人に「定年になったので、ギターを習いたいのだが、教えてくれないか」と相談されたら、どう答えるだろうかと考えてみたのです。
「それはいいね。でも私ではなく、ちゃんとした先生についた方がいいよ」。うーん、これは誠実な答えではないな。やっぱり「やめなよ」の一言しかありません。
中高年向けの有料のアコースティックギター教室を覗いてみたことがあります。一年ほど通った十数人が演奏していました。一様に、たぶん憧れていた、高級な新品の楽器を抱え、実に楽しそうには見えました。先生に「発表会でベースを弾いてくれないか」と頼まれましたが、断って帰ってきました。
生徒たちの演奏は下手でしたが、それが断った理由ではありません。高齢の人たちですから、たくさんの音楽を聞いてきたはずです。そしてその一端でも自分の手で演奏してみたいと、高価な楽器を購入し、教室に通いはじめたのでしょう。ところがそんな意欲がまったく感じられなかったのです。
先生や生徒たちが悪いのではありません。はじめたのが遅かったのです。もちろん「バラが咲いた」の弾き語りができたと喜ぶ人を否定するのではありません。ただ、そこまでしかできないのなら私はやらないということです。