旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

卵と子猫

海外に行ったことのないせいか、外国を舞台にした夢はあまり見ません。そのほとんどが映画の焼き直しのような内容で、どこの国にいるのかはよくわかります。
ここはどこなんだろうと考えてしまう夢を見ました。私は若く、一部屋しかない古いアパートに住んでいました。ときおり人が訪ねてきて、私は食事を振る舞います。もぐりの食堂をしているわけではなく、出すものも質素ですが、みな喜んで食べています。
食材は同じアパートにある店で買い、女主人は「ほかの人にはナイショだよ」と言って、いつも数個の卵をサービスしてくれます。このシーンはたぶん、先日BSプレミアムで見たヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ひまわり』の影響です。
手のひらに乗るような幼い子猫がいつの間にか居着いてしまいました。ミルクを嘗めているとき以外は寝てばかりいる猫ですが、その姿がかわいく、外では暮らしていけないだろうと、慣れない気遣いをしています。
最近若い女の子が入り浸るようになり、困惑しています。自称ロシアのナショナルチームの体操選手で、それっぽいジャージを着ています。しかしトレーニングする姿は見たことがありません。それどころか、髪は薄汚れ、着た切り雀で、どう見ても浮浪者です。食事を作ろうとすると断われ、しゃべりもせずに、朝から夕方までいるのです。
私が亡命や密航の手助けをしているとは思えません。来る日も来る日も、一つしかないフランパンで卵入りの野菜炒めを作っているだけです。