旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

薄紫の藤棚の

百花園の藤棚

さて、墨堤通に戻り向島百花園を目指しましたが、車の往来が激しいので、ひとつ内側の細い道に入りました。
ところどころに小さな町工場があり、鉄の匂いがします。私が育った町と似ています。
再び墨堤通に出て、明治通と交差する少し前、白鬚神社のところを右折します。左側に「大和湯」という小さな銭湯がありました。


向島百花園につきました。
ここは1月に行った駒込六義園のような大名庭園とは違い、骨董商を営む町人が文人墨客の協力を得て造りあげた個人の庭園です。文化二年(1805年)ころに造られ、昭和十三年(1938年)まで民営で開園していたのです。
面積は約一万平米、こぢんまりとしていますが、かって「新梅屋敷」と呼ばれたように、梅の木を中心にたくさんの草木が植えられています。小さな藤棚はちょうど満開でした。


池にはつがいのかるがもが泳いでいました。道の真ん中を、それより小さなかるがもが我が物顔で歩いています。人が近寄っても逃げていきません。ガアガアと話しかけてきます。池にいるかるがもがそばに泳いできて、こちらに来なさいとでも言うように鳴くのですが、無視してお尻を振りながら道を歩き続けます。


さきほどまで晴れ上がっていた空が急に曇ってきました。風も出てきましたので、この愛すべき庭園を後にすることにしました。