旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

おかしさもほろ苦さも‥‥

今回の「朝日名人会」の主任は柳家権太楼師匠で、演し物は「質屋倉」でした。
「質屋倉」は初めて聞く噺でしたが、伊勢屋の主人と頭の熊五郎が師匠の声質とぴったり合っていて、あたかもその場に自分も一緒にいるような気になりました。それにしても熊五郎、なかなかの悪ですね。*1
ただ、舞台上手の前の席に座っていたので、最後の部分が音曲にかき消され、よく聞こえなかったことが残念でした。


14時開演で終わったのが17時20分、正味3時間を超える重量級の落語会でした。席が前から2番目でしたから高座を見上げる形になり、ちょっと首が疲れました。でも、いい落語を聞いた充実感があります。
若いころは噺の内容とその出来にしか関心がありませんでしたが、最近は登場人物や、それを演じる落語家たちの人生も、高座の向こうに垣間見ることができるようになってきました。
ときどき、ほろ苦い思いを味わうこともありますが、落語という演藝の深さに、改めて驚いている私です。

*1:繰り返される「左の腕には昇り龍、右の腕には下り龍‥‥」には笑いました。