旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

藝は伝わっていくものなのですね。

仲入り前は古今亭志ん輔師匠の「居残り佐平次」です。
師匠の志ん朝さんと寸分違わない噺の運びで、たっぷりと演じてくれました。霞花魁にふられた勝っつぁんと佐平次のやりとりが実におもしろくて、志ん朝さんの姿がふと見える瞬間が何度かありました。
「おこわにかける(ペテンにかける)」にかけた、志ん生から伝わるサゲで締めていましたが、ここは一言説明が欲しかったですね。


柳家喬太郎師匠の「粗忽長屋」は、さぞやクスグリが満載であろうと期待していたのですが、オーソドックスにきちんとまとめていました。
立ち合いの世話人が出色で、八っつぁんや熊さんを見る僅かな仕草に、なんともいえないおかしみがありました。こういったところは、CDでは伝わってきません。やはり落語は見る演藝です。