旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

三三独演 新春特別公演

開口一番は前座ではなく、二ツ目の古今亭朝太さんです。
話がそれますが、落語ブームで会が増え、前座が不足しているそうです。柳家喬太郎師匠のとある独演会では、前座の手配ができず、師匠自ら開口一番をつとめたとか。いかにも喬太郎師匠らしいエピソードです。
朝太さんは志ん朝さんのお弟子さんですが、いい名前をもらいましたね。志ん朝さんの前名ですもの、名前を聞くだけで嬉しくなります。志ん輔師匠も朝太を名乗っていましたが、現朝太さんは志ん五師匠の一門です。
演し物は「のめる」。明るくてメリハリのある口跡がとってもよかったです。


さて、三三さんの登場で、新春にぴったりの噺「かつぎや」です。独自のクスグリを入れながら、江戸の商家の新年の情景をくっきりと描いていきます。柔らかく、暖かみがある声質が耳に心地よく感じられます。
商売上手の宝船売りは、主人とその娘を大黒と弁天に見立て「この家は七福神が揃っている」と言います。「それでは二福だ」と言い返す主人に「お宅のご商売が呉服(五福)でございます」。
江戸時代の笑話集に同じような話がいくつものっているそうですが、初笑いには、これくらいのサゲがちょうどいいようです。