旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

志らくの「火焔太鼓」

志らくの「火焔太鼓」は、サゲ以外は古今亭を踏襲していましたが、ナンセンスに徹した楽しい高座でした。クスグリも多く、それがどれもおかしくて大笑いしました。


古道具屋の主人が親類から預かっている小僧を評したことばを、志ん朝志ん生それに円蔵と、出典を示して紹介していましたが、これが大受けでした。
それぞれ「バカガオ」「バカメ」「メトロ」なのですが、円蔵の「火焔太鼓」は(最近よく取りあげていることは知っていましたが)聞く機会がなく、いかにも彼らしいクスグリを教えてもらい、得をした気分になりました。


圧巻は、おかみさんが亭主に「あんな汚い太鼓を持ってお屋敷に行ったら、こんな目にあわされるよ」と言うところでした。志ん朝志ん生よりこの部分をふくらましていましたが、それをはるかに超える、狂気さえも感じさせるようなお仕置きの羅列で、私は涙が出るくらい笑ってしまいました。


前述したようにサゲは「半鐘はいけないよ、おじゃんになるから」ではありません。サゲに意味のある噺ではありませんから、「やっぱりね」と、その演りかたに納得しました。
次は「死神」を聞きたいな。