旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

The Cellar Door Sessions

「アガルタ」「パンゲア」を久しぶりに聞き、ノーカットのライヴ音源がもっと聞きたくなりました。
そこで、私にとってマイルズ・デイヴィスの最新のCD「セラードア・セッション」を聞くことにしました。6枚組のボックスセットです。
コロンビアのコンプリート・ボックスセットのシリーズは全部揃えているのですが、実はあまり聞くことがありません。しかし、これだけは例外で、購入以来何度も聞いてきました。iPodに入れていたこともありました。
このセッションの一部を編集したものと、スタジオ録音を組み合わせた「ライブ・イヴィル」というアルバムはよくできていて、面白いものなのですが、ライヴの楽しさを味わうにはこれを聞くしかありません。
当時まだ十代だったマイケル・ヘンダーソンのベースによって、デイヴィスのバンドに初めてファンクミュージックの要素が持ち込まれた時期のセッションです。ヘンダーソンのベースは、うまくはないのですが、若々しさにあふれていて、聞いていてとても楽しくなります。
へっぽこベース弾きの私でも、すぐにそのフレーズがコピーできるほど難しいことはやっていないのですが、たぶん一緒に演奏しているジャズ界の強者たちにとっては、新鮮な経験だったことでしょう。それとも「ボスはなんでこんなガキの、チャラチャラしたベース弾きを雇ったのかな」なんて、不平たらたらだったのかな。
それと、ジャック・デジョネットのドラムに感心しました。デジョネットはシンバルの使い方に特色のある、繊細なテクニックを駆使するドラマーとばかり思っていたのです(彼はたまにピアノも弾くのですが、リリカルで素敵ですよ)。それが、ドカドカドカ〜、後任のアル・フォスターばりに叩いているではありませんか。キース・ジャレットのピアノがすごかったので、それに煽られたのかな。
6枚組なのでお薦めはしませんが、元は十分に取れます。

Cellar Door Sessions 1970 (Spkg)

Cellar Door Sessions 1970 (Spkg)