旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ティナリウェン

デレク・トッラクス・バンドのCDの再発をきっかけに、少しずつですがまた新しいCDを買うようになってきました。まだ音楽の世界からは落っこちたくはありません。
そんな中で、今一番楽しく聞いているのが、ティナリウェンの二年ぶりのアルバム「アマン・イマン」です。どこの国のバンドかと書きたいところなのですが、サハラ砂漠に住む領土なき民族、トゥアレグ人のバンドとしておきます。
サリフ・ケイタやモリ・カンテの最近の作品は、伝統音楽の楽器や旋律を用いながらもとてもポップで、すばらしいものです。それは伝統音楽出身の彼らだからできることで、政治に翻弄され、あちこちの国を放浪したトゥアレグ人の若者たちには伝えられた音楽はありませんでした。
ティナリウェンのメンバーたちは、私たちと同じようにボブ・ディランボブ・マーリーをラジオで聞くことによって、音楽に目覚めたのです。当然のことながら、彼らが使う楽器はギターでした。
アフリカのバンドには、まるで寺内タケシとブルージーンズのように、何本ものギターを使うものが見受けられます。ギター奏者はコードでリズムを刻んでいるのですが、それぞれが微妙にずれ、ポリリズムのように聞こえるのです。
ティナリウェンもそのようなバンドです。それに日本のお囃子のような女性コーラスが加わります。そうすると、不思議なことにサリフ・ケイタやモリ・カンテの音楽に近いというか、共通するものがほの見えてくるのです。
前作の「アマサクル」もよかったのですが、「アマン・イマン」はそれをしのぐアルバムです。「砂漠のブルーズ」というキャッチコピーにとらわれずに聞くことをお薦めします。

アマン・イマン〜水こそ命

アマン・イマン〜水こそ命