旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

【江刺寄席】こんなマクラもあったのか。

三遊亭好の助さん

第三回【江刺寄席】の口切りは、この10月に二ツ目になったばかりの三遊亭好の助さんです。誇らしげに羽織を着て高座に上がります。
短く自己紹介をすると、なんと胸元から布でできた可愛らしいキティちゃんのバッグを取り出しました。
「入口にこのバッグがあったと、会館の人から預かりました。持ち主の方はいらっしゃいますか?」
どこにでもあるような子供用の手提げですが、落とし主は現れません。
「いらっしゃいませんか。では中を改めてみましょう。」
あっ、仕込みだったんですね。だって好の助さんのお父さんは、有名なマジシャンです。
案の定、バッグは裏返すたびに柄を変え、最後にはドラえもんがあらわれました。
好の助さんはお父さん直伝のマジックをマクラにしたのです。夜なべをして、息子の使うバッグを縫っているナポレオンズボナ植木さんの姿が浮かび、暖かい気持ちになってきました。
続いて、二ツ目になって作った手拭いに白い紙を挟み、それをポンとたたいて1万円札に変えました。好の助さんはこの魔法の手拭いを、気前よく客席に投げてくれました。*1


さて、噺に入ります。「真田小僧」です。
元気な声は相変わらずですが、しゃべり方は昨年より遅くなり、聞きやすくなりました。ただ、間の取り方がよくありません。
あとで聞いてみたところ、珍しくあがってしまったとのことでした。二ツ目になり、めくりに名前が書かれたことがプレッシャーとなったのかな。
好の助さんはすでに噺を70も覚えたそうです。今はそれを磨くことより、もっともっと覚えることが大切だと私は思います。
来年に期待しています。

*1:実は私、終演後にこの手拭いを好の助さんからいただきました。これで私は、今後お金に苦労することはなくなりました。