旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

二通目の「旭亭だより」

この「旭亭だより」を書き始めて二年半が過ぎました。
その二通目は「永久欠番」というタイトルの短い便りでした。これは先日挙式したT君の父君の訃報に接して書かれたものです。
サーバーには残っていないようですので、以下にそれを再録いたします。

永久欠番」(2006年6月12日記す)


休日明けの事務所にかかってきた最初の電話は、社員の父親の訃報でした。
T君の父親が昨日自宅で倒れ、その日のうちに息を引き取ったと。
享年58歳。


私の父は10ヶ月近く入院し、43歳で亡くなりました。昨年が37回忌でした。


中島みゆきが、ひとの死は永久欠番だと唄っていましたね。
すべての身近なひとの死が永久欠番になるわけではないでしょうが、父は私にとって永久欠番です。伝え聞くところによると、T君も彼の中におそらくは初めての永久欠番を刻んだようです。


今は悲しみだけの彼でしょうが、欠けた番号がいつか、彼に豊かな思い出をもたらしてくれることを、遠くから祈ってやみません。


合掌。


この便りには、何人かの方からお褒めのことばをいただきました。それがあったので、私はここまで拙い便りを毎日書き続けることができたのでしょう。
披露宴では、父君の友人がお祝いのことばとともに、父君の思い出を語ってくれました。


11時30分、披露宴の開始です。
会場のドアが開き、新郎新婦は晴れ渡った秋空を背景に、まぶしい光に祝福されるかのように入場しました。
空を厚く覆っていた雲は、すっかり消えていたのです。


T君、いつまでもお幸せに!