物忘れを自覚するようになってから、変わってきたことがあります。ちょっと大げさな言い方になりますが、過去の自分から自由になれた気がしたのです。
若いころに考えたこと、こう生きたいと願ったことなどに囚われなくなった、と言ったらいいのでしょうか。
それまでは読む本や聞く音楽などのすべてが、十代のころからの延長線上にありました。それほどにあの時代のもたらした呪縛は強かったのです。
この「旭亭だより」みたいな、だらだらとして中身の薄い文章を人前にさらすなんて、あのころの自分には想像もできなかったことです。
そんなわけで、気分はいいのです。それに、怖いものがなくなったようで、もう少し努力して独自ななにかを作ってみたいし、それはできるのではないか、なんて考えてもいるのです。
ATCを設立し、軌道に乗せたことも、おそらくそんな私を後押ししてくれているのでしょう。
俸給生活者としての私が望んだ労働環境の実現がATCだからです。まだまだ道の途中ですが、このまま一歩一歩確実に歩いていけば、見晴らしのいいところに必ずたどりつけるはずです。私の代にできなくてもね。
昨日の便りを書いてから書店に行き、町田康「宿屋めぐり」と舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日」を買ってきました。そうそう、永田守弘編「官能小説『絶頂』表現 用語用例辞典」も一緒にね。
古川日出男「聖家族」はなかったので、保坂和志「小説、世界の奏でる音楽」、田中優子「カムイ伝講義」とともに、別の書店で求めることにします。
さあ、今週も忙しいぞ。
- 作者: 町田康
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/08/07
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- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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