旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

33年の時を経て

キース・ジャレットのファンではないのですが「マイ・ソング」は大好きなアルバムです。ジャズのレコードではもっともよく聞いたものでしょう。録音は1977年で、この時期のジャレットには傑作が目白押しです。でも「マイ・ソング」は、私にはヤン・ガルバレクのサックスを聞くためにあります。
先日、同じメンバーによる1979年のライブを録音したアルバム「スリーパー」が発売されました。中野サンプラザで収録されたもので、ブートレグではなくECMの正規盤です。まったくの未発表作で、なぜ今になってという思いがいたします。ジャレットのトリオやソロによる作品が垂れ流しのように続き、オーディエンスがいささか食傷気味になっているせいなのかな。
音はスタジオ録音とだいぶ違います。ECMのスタジオ収録のピアノの音は異常にシャープで、私は好きですが、いじりすぎのようなところがあります。このアルバムのピアノの音はそうではありません。
ジャレットが前面に出た演奏が多く、彼が好きな人にとっては「待ってました」の作品といえるでしょう。「マイ・ソング」の2年後を期待した私には期待はずれでした。でも、すぐによさがわからないことはしょっちゅうですから、繰り返し聞いてみるつもりです。


Sleeper-Tokyo April 16 1979 (2cd)

Sleeper-Tokyo April 16 1979 (2cd)