旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

井上章一「伊勢神宮と日本美」

前回の三連休は江刺に行っていましたので、久しぶりの長い休みとなりました。でもやることは十年一日の如し、旭亭で本を読んでいます。
数冊が読みかけですので、これをかたづけてしまうことが目標です。で、まずお題の本を読み終えました。
講談社学術文庫で六百頁、ボリュームがあります。式年遷宮に関する書籍の紹介記事で知り、近所の書店で見つけ購入しました。
伊勢神宮に関心はありません。建築史にも興味なし。たまたまそこにあったので手にしたという、いつものいい加減さです。ですから、読み通せるかどうか心配でした。
結果、とても楽しく読めました。叙述の仕方がよかったからです。仮にスイッチバック式と名付けておきましょうか。
進んでは少し戻り、そこからまたはじめる。戻った部分が幾重にも重複し、その分野に関する知識がなくても理解できるようになる。そんな感じです。
ひらがな表記の多い文章に、はじめは戸惑いました。和語はひらがなを使用する、という原則で書かれた文には時折お目にかかります。著者はそうではないようで、漢語の熟語がひらがなで書かれていることもありました。美に関する著作ですから、美的見地からそうしているのかな。
東大と京大の学風の違いについても結構な頁が割かれているのですが、高卒の私にはどうでもいいことであります。おもしろかったけどね。
では実物を見に行ってみるか、という気持ちは起こりません。私の出不精は筋金入りです。