旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

”Miles at the Fillmore”

予約していたマイルズ・デイヴィスのアルバム "Miles at the Fillmore" が届きました。あの "At Fillmore" の完全版です。
70年6月に「フィルモア・イースト」でライブ録音された "At Fillmore" は衝撃的なアルバムでした。十代の私は、そのころ通っていた浅草仁丹塔近くのジャズ喫茶「フラミンゴ」ではじめてそれを聞きました。
2枚組のレコードで、各面に曲の切れ目はなく、水曜日のマイルズから土曜日のマイルズとの曲名になっていました。CDになってから曲名の表記は変わりました。塊ではなく1曲ごとになったのです。
正直なところ、何をやっているのか当時はわかりませんでした。ジャズ喫茶のリクエストはレコードの片面でしたから、何日も続けて通い、全曲を数回聞きましたが、なじめませんでした。
現在では愛聴盤になっています。それとともに、ファンは誰でもそうなのでしょうが、プロデューサーのテオ・マセロによって半分ほどに編集されてしまった演奏のすべてが聞きたくなりました。編集版でこれなのだから、完全版は途轍もなくすごいのではないか、と期待したのです。
ブートレグでは出ていましたが、私は買わないことにしています。公式盤を待ち望みました。
皮肉なことに、公式盤はブートレグ・シリーズの第3弾として発売されました。4枚組で同年4月の「フィルモア・ウエスト」での演奏もボーナストラックで収録されています。
今はテオ・マセロの手腕に感心するばかりです。でも、これも必聴のアルバムです。


Miles at the Fillmore: Miles Davis 1970:

Miles at the Fillmore: Miles Davis 1970: