旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

レイシズムとフーコー

梁英聖著『レイシズムとは何か』(ちくま新書)を読んでいますが、第二章の途中で足踏みをしています。読み進めるためにはミシェル・フーコーに関する知識が必要なのです。「生権力(せいけんりょく)」なんてことばはとうに忘れていました。
フーコーの著作には何度も挑んでみましたが、どれも完読できませんでした。まったく理解できなかったのです。今、手許にあるのは『言葉と物 - 人文科学の考古学 -』(新潮社)とちくま学芸文庫の『フーコー・コレクション』(全6巻)の7冊だけです。これらに再挑戦し、『レイシズムとは何か』に戻るのが本道なのでしょう。また、フーコーを読むことによって知の世界は広がるはずです。が、哲学書に多少なりとも親しんでいた若い時にさえまったく歯が立たなかった思想書が、その後のほほんと生きてきた私に読みこなせるとはとても思えないのです。
仕事をやめてからそろそろ3年になります。その時は海外ミステリーと最近の時代小説を読みながら好きな音楽を聞いて、楽しい老後を送ろうと考えていました。そのような日々は、何かを成し遂げた人にしか訪れないのかもしれません。