旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

銀行員

前の日の夢が大スペクタクル歴史活劇だった反動なのでしょうか、とても地味な夢を見ました。近所の公園を町内会の人たちと清掃している、そんな夢です。私は若い銀行員と竹ぼうきで枯れ草を集めながら、とりとめのない話をしていました。
金融機関に勤めた友人はいませんが、ずっと経理の仕事をしていましたので、多くの銀行員と接してきました。どの人も遅くまで忙しく働いているようで、私の好きな本の話題を振っても、決まったように「読む時間がなくて」という答えが返ってくるばかりでした。
一人、読書好きな方がいました。よく読むのは時代小説で、最新の歴史研究に基づいた作品がおもしろいと言うのです。戦国武将などに人生訓や経営学を学ぶような読み方は嫌っていて、私にもそんな新しい時代小説をよく貸してくれました。
銀行員はだいたい2年で転勤します。それでつきあいは終わってしまうのですが、彼とは年賀状のやりとりが続きました。その後彼は銀行に籍は置いたまま大学に再入学しました。学ぶのは語学や経済、金融ではなく、私にはすぐには彼の考えがわかりませんでした。でもやがて気づきました。彼は銀行の業務ではなく、そこで働く人たちのために学んでいるのだと。
彼は私の大好きなカナダ生まれでアメリカで活躍している辛辣なコメディアンに、顔だけではなく背格好やしゃべり方までよく似ていました。