旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

数譜

小学生の頃、ハーモニカを吹くのが好きでした。持っていたのはミヤタの複音でキーはCです。
楽譜は学校の教科書を使いましたが曲数が少なく、書店でハーモニカ名曲集を求めました。これが五線譜ではなく、数譜で書かれていたのです。ドが1でレが2、長さやオクターブの上下の記号もありました。唱歌や世界の名曲といった内容で、歌謡曲やポピュラー音楽は載っていません。それで覚えた曲は今でもドレミで歌えます。
(ここまで書いて東京新聞の朝刊を読んでいたら、なんとそこにミヤタハーモニカの通販広告がありました。C調1本で価格は17,380円、数譜の曲集が付いています。)
そのうちに、このハーモニカでは他の調もある五線譜の曲が吹けないことがわかりました。小遣いをためてトンボのクロマチックハーモニカを買いました。単音なので、なかなかその音になじめませんでした。
中学生になり、ギターを弾くようになりました。ボブ・ディランのように演奏したくて、針金でハーモニカホルダーを作りました。クロマチックは重いので複音を取り付けましたが、ディランのような音は出ません。ブルースハープと市販のホルダーを手に入れたのは、だいぶ後のことです。手許には今でも4本のブルースハープがあります。
ギターといえばコードです。数譜とは縁がなくなりましたが、意外なところでこれが役に立ちました。コード進行はコードの名前で覚えます。同じ曲でもキーを変えることがあります。フォークソングならカポタストを使い元の曲と同じコードで演奏しますが、エレクトリックギターではバレーした人差し指の位置を上下させます。しかしコードフォームによってはそれができません。コードを書き替えればいいのですが、その時間が取れないこともあります。頭の中でさっとコードを変換できる人もいました。私はだめでしたが。
コード進行を、コード名ではなく、キーの音を1としてそれとの関係を数字にする表記法があります。コードの構成音は数字の右側にアルファベットと数字で書きます。これならばどのキーでも演奏できます。私は、使い方は違いましたが、数字には慣れていましたので、この表記法がすぐにマスターできました。