旭亭だより

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狐と石碑に囲まれて

三囲神社

牛島神社を出て言問通を渡り、墨堤通を少し歩くと三囲(みめぐり)神社の鳥居が見えてきました。この神社の境内には有名な宝井其角の雨乞いの句碑をはじめとして多くの石碑があります。*1


三囲神社は弘法大師の創建と言われていますが、たぶんそれは伝説で、文和年間(1352〜56)に源慶という僧侶が建てたもののようです。現在の社殿は安政年間(1854〜59)の建築です。祭神は宇迦御魂之命(うがのみたまのみこと)。


神社の名前の由来は、源慶が荒れ果てた祠を再建しようと地面を掘ったところ、白狐に跨った神像が納められた壺が出てきて、その周りを白狐が三度まわって去っていた故事によるとのこと。しかし、昔は田中稲荷と呼ばれていたとも言われています。
そのせいか、境内には狛犬とともに狐の石像があり、小さなお稲荷さんの祠もいくつかあります。


三囲神社は越後屋三越)の三井家と縁が深く、三井邸から移された京都木島神社と同型の三本足の鳥居や、三井家の祖霊を祀る顕名(あきな)霊社という社もあります。また、境内に祀られている恵比寿、大黒の二神も越後屋から移したものだそうです。


さほど広くない境内ですが、そのほかにも興味深いものがたくさんあります。神社ウォッチャーには興味が尽きないところでしょう。

*1:雨乞いの句碑には「此御神に雨乞する人にかわりて 遊ふ田地(夕立)や田を見めぐりの神ならば 晋其角」と刻まれています