旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

小さんを聞いています。

昨日の便りにも書いたように、最近五代目小さんを聞くようになりました。
実はあまり関心のなかった落語家でした。CDは20枚ほど持っていますが、ほとんど聞いたことがなかったのです。


どうも私は、彼の語り口を味わいのないものと馬鹿にしていたようです。あまりにも平易すぎると‥‥。
若いころに何度か聞きましたが、おなじみの噺をぼそぼそと語り、短い時間で高座を切り上げてしまうという印象しかありませんでした。


先月、ふと聞いてみたくなりました。そうしたら、です。
小さんの話藝が、彼が終生愛して已まなかった剣道と同じように、厳しい稽古の上に成り立っていたものであったことに、私はこの歳になってやっと気がつきました。
文楽とは違った意味で無駄がありません。
文楽は自分の話藝を完璧なものにしようとそうしたのでしょう。一方小さんは、自分の考える落語というものを観客にしっかりと届けるために、あの話し方を作りあげていったのではないでしょうか


席亭になり、落語の作られる場を垣間見られるようになったことが、小さんの評価を変えたようです。