旭亭だより

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正岡子規の東北旅行

森まゆみ著『子規の音』(新潮文庫)を読んでいます。正岡子規の評伝です。
旅行好きの子規でしたが、一ヶ月間も東北を旅していたことは知りませんでした。出発は明治26(1893)年7月19日で、『奥の細道』をたどる旅行でした。
子規は前年に東京大学を退学、陸羯南の経営する新聞「日本」に入社し、母と妹を松山から呼び根岸で暮らし始めていました。血痰を吐くことがあり、新聞社を休むこともしばしばでした。
子規は旅の随筆を新聞「日本」に送り、それは『はて知らずの記』として掲載されました。芭蕉の足跡と外れることもあったようです。
子規の旅は鉄道も利用しましたが多くは徒歩でした。松山に育った子規ですからことばが通じないこともありました。体調も万全ではなく、それでも旅を続けたのは、東北に行く最後の機会と考えていたからでしょう。
私は子規の代表的な著作しか読んでいません。すべてを読みたい著述家の一人なのですが、それに時間を振り分けることはできそうもありません。
 
子規の音 (新潮文庫)

子規の音 (新潮文庫)

  • 作者:森 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/27
  • メディア: 文庫