旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

キリスト教徒の友人

十代の頃にカトリック信徒の友人がいました。彼は私よりだいぶ年上で、二十歳を過ぎていました。
彼は読書家でしたが、読む本は戯曲と演劇論に限られていました。私とつきあうようになって小説も少しは読むようになりました。私も彼にチェーホフの面白さを教えられました。
彼のアパートに行くと必ずサイホンでMJBのコーヒーを淹れてくれました。おいしかったな。キリスト教徒であると知ったのはだいぶ後のことです。
彼の姉は修道女でした。子供の頃からそうなることを決めていたそうです。彼の一族は、娘一名を必ず修道院に入れていました。彼の姉のように、みな進んでそれを選んだようです。幼いときからの信仰がそうさせたのでしょうか。
彼は常にロザリオを身につけていましたが、キリスト教について語ることはほとんどありませんでした。異教徒に話すことではないと思っていたのかな。
その後彼は長崎に帰り、市の職員になりました。たぶん今でも戯曲を手放さず、信仰に生きていることでしょう。