旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

七味唐辛子売り

夜店で若い女性が七味唐辛子を売っている夢を見ました。
私の子供の頃、七味唐辛子は夜店で売っている唯一の実用的な品でした。私も何度か買いました。まだ乾物屋では七味唐辛子を売っていなかったのかな。
売り子は(子供から見ると)どこでもおじいさんで、その効能を歌いながら材料を混ぜていました。いい香りがします。頭巾とちゃんちゃんこは唐辛子色で、白い髭を生やしたおじいさんにぴったりでした。
三谷一馬の『彩色江戸物売図絵』(中公文庫)では売り子は赤い衣裳で大きな唐辛子の張り子を背負っています。とてもシュールですが、昭和の東京では見ることができませんでした。
夢の中の唐辛子売りの女性も衣裳は昭和のおじいさんとほぼ同じです。が、裁付袴(たっつけばかま)が赤白の格子柄で、彼女にとても似合っていました。残念なことに歌はなく、その場での混ぜ合わせもありません。
「私のおじいちゃんも昔夜店で売っていました。袋詰めしかありませんが味は同じです」と言っていましたの、一つ買えばよかったかな。