旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「狂いっぷり」

昨日の東京新聞朝刊に掲載された樋口尚文の「大林宣彦を悼む」に、そうならば納得できると思った箇所がありました。
「(略)「さびしんぼう」や「ふたり」のファンは、近作の「この空の花 長岡花火物語」や「野のなななのか」の狂いっぷりには焦ったかもしれない。」
現代を舞台にしているのに衣裳や小道具は昭和初期のものである、画面の二人が同じ方向を向きながら台詞の棒読みで会話している等々、私が見続けることができなかった大林作品にはそれが色濃く表れていたのでしょう。
樋口は「大林は最初から遠い銀幕の世界に憧れるのではなく(略)自分だけの「詩」をうたう」「映画詩人」であり、その「一貫ぶりにこそ畏怖すべきであろう」と結びます。
短い文章ですが、的確な大林論になっています。が、私が大林の評価を変えることはありません。