旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

蛙祭り

高校生の私が、なんとものどかで楽しい村のお祭りに行く夢を見ました。
夏休み、男女3人ずつのグループで仲間の祖父母の家に行くことになりました。お目当ては奇祭、蛙祭りです。
小さな古びたお社の前には狛犬ではなく、一対の蛙の石像がありました。神職はいなくて、村で管理しているそうです。仲間の祖父が氏子総代です。
神社のすぐ前を幅5米ほどの、水のきれいな河が流れていました。ここで蛙祭りが行われます。村人と私たちは水着の上に法被を着て川に入りました。深いところは1.5米くらいあります。肩まで水に浸かり、氏子総代を待ちます。
総代があらわれました。村人と同じ法被姿ですが、下はふんどしでした。挨拶はなく、歌がはじまりました。よく通る、渋くていい声です。音頭のような節の歌ですが、鉦や太鼓は加わりません。
歌詞には右、左を指示する部分があります。それが歌われると、人々は水の中に潜り、その方向に蹴伸びします。その姿は蛙に似ています。左右を交互に指示するのではなく、「右じゃなくて左だよ」という引っかけもあります。そこに音頭取りの面目があるようでした。
蹴伸びを続けていると、とても気持ちよくなってきました。ハイになった感じです。このままずっと続けたい。
総代の歌は突然に終り、お祭りもそれでお終いです。村人たちは拍手喝采しながら川からあがりました。多くの人は河原に茣蓙を敷き、宴会をはじめました。私たちもそうしました。しばらくすると総代がやってきました。お祭りやあのすばらしい歌について質問が相次ぎました。蛙祭りは明日もあるそうです。ハイを知ってしまった私たちが行かないわけがありません。
禊ぎをして神を祀ったのが本来の形だったのだろうとの考えがよぎりましたが、そんな小賢しいことはどうでもよくなってきました。