旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

I wish they all could be Ukraine girls

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ウクライナという地名を心に刻んだのは高校生のときでした。中学の地理の授業で習ったのかもしれませんがその記憶はなく、ロックのアルバムの冒頭の曲にそれが出てきたのです。

"Well, the Ukraina girls really knock me out"(ウクライナの女の子たちはぼくをしびれさせちゃうよ)。ビートルズホワイトアルバムの"Back in the U.S.S.R."です。それがビーチボーイズの曲のパロディであることは聞いた瞬間にわかりました。歌詞が反語であることもまた。ホワイトアルバムは1968年11月にリリースされましたが、同年8月にはソヴィエト連邦軍がチェコスロバキアの変革運動に軍事介入しました。それが"Back in the U.S.S.R."を作らせたとは思いませんが、彼らは1956年のハンガリー事件を知っていたはずです。
何回か聞くと、メロディーやコーラスだけでなく歌詞もビーチボーイズをなぞっていることに気づきました。そして"Ukraina girls"がソ連の"California girls"に思えてきたのです。(以下の歌詞は"California girls"からですが、地名は変えてあります。)"The Black Sea has the sunshine and the girls all get so tanned"(黒海には太陽が輝き女の子はみんな小麦色)なんだ。素敵だろ。だから"I wish they all could be Ukraine girls"(世界中の女の子がウクライナの女の子みたいになってくれるといいなぁ)。
"Back in the U.S.S.R."には理解できない歌詞もありました。"And Moscow girls make me sing and shout that Georgia's always on my mind"です。"Georgia's always on my mind"は"Georgia on my mind"のことでしょうが、なぜその曲をモスクワの女の子たちはぼくに歌わせようとするのでしょうか。今ならわかります。(以下蛇足)当時の言い方をするなら、その曲のタイトルは「我が心のグルジア」だったのです。