旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「で」と「に」

朝散歩の音楽は、今は阿久悠の作詞した作品のコンピレーションです。浅川の土手を歩いていたら、「ジョニイへの伝言」「五番街のマリーへ」が流れました。私にとってペトロ&カプリシャスのリードシンガーは前野曜子なのですが、高橋まり(現高橋真梨子)の歌った都倉俊一作曲のこの二曲も嫌いではありません。
さんざん聞いてきた曲ですが「五番街のマリーへ」でひっかかったところがありました。二番の「五番街で住んだ頃は 長い髪をしてた」です。私なら「五番街に住んだ頃は」にするだろうし、「で」を使うなら「五番街で暮らした頃は」になります。
『岩波国語辞典 第七版』にこうありました。
「その事が現れる(行われる)場所や時を示す。(略)場所や時を示すには「に」も使えるが、「銀座ー会う」「銀座に在る」を比べて分かるとおり、「に」は存在(に関連すること)の場所、「で」は(活動的な)物事の起こる場所を言う。「いなかー暮らす」「いなかに住む」も、「住む」が「暮らす」より静的な意味の表現である点で言い分ける。」
「勝ったね」ですが、私とマリーが五番街に住んだ頃には「(活動的な)物事」があったのかもしれませんし(刃傷沙汰とかね)、人口に膾炙した曲ですからこれでよしと言うことで。