旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

【橋場噺】町内演藝会

3、4歳の頃の記憶なのでかなりあやふやなものになっていますが、その頃の橋場ではお盆の時期に町内演芸会が行われていました。
私の覚えているのは1回だけなのですが、町内の空き地に小さな舞台を組み、それを大勢の人が囲んで、素人芝居や演芸、のど自慢などを楽しんでいました。確か賞品も出ていたようで、大きな金盥などが舞台の脇に飾られてたのを覚えています。


夭折した伯父が芝居好きで、伯母の着物を借りて女形を演じていたと、母から聞いたことがあります。私には伯父の記憶がないのですが、写真を見る限りなかなかの美形で、父とは違って小柄だったそうですから、さぞやいい女っぷりだったことでしょう。


それより少し後のことになりますが、福助足袋が提供していた会社対抗演芸会のテレビ番組がありました。出し物の中には必ずと言っていいほど芝居があり、とりわけ金色夜叉が何度も演じられていました。もちろんお宮は頬を紅で丸く塗った、貫一よりも大柄なむくつけき男性が演じるのがお約束でした。

のど自慢ブームに代表される素人演芸花盛りの時代が戦後の一時期にあったのでしょう。そんな時代がもう一度やってこないかと、私はノスタルジアからだけでなく切に望んでやみません