旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

薔薇には香りを

昨日の便りを書き終えてから思い出した叢書がありました。二十歳の頃に揃えていた現代思潮社の「古典文庫」です。
文庫と名乗ってはいましたが文庫本ではなく、通常のサイズのハードカバーで、一点一点装丁が変えてありました。
内容は岩波文庫などに収められていない西洋の古典的思想書のシリーズで、現代思潮社が出していたものですからひと癖もふた癖もあるラインナップでした。


私はセットで購入しましたの全巻を持っていたのですが、今は手元にはなく、完読もできなかったので書名はほとんど忘れてしまいました。ルソーの「人間不平等起源論」やサン・シモンの著作が入っていたのですが、その中でただ一冊、はっきり覚えていて今も印象に残っているのは、19世紀のフランスの歴史家、ジュール・ミシュレの「魔女」です。これはだいぶ後になってから岩波文庫にも収められました。


なぜ私がこの叢書のことを思い出したのでしょうか。
古典文庫」のキャッチコピーが「薔薇には香りを、本には毒を」だったからです。