旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

映画「二等兵物語」

NHK・BSプレミアムで福田晴一監督の「二等兵物語」を見ました。主演は伴淳三郎で、花菱アチャコも出ています。シリーズ化され、何年も続いていたことは覚えていますが、私は一作も見ていません。松竹は子供向きの映画を作っていませんでしたから、その機会はなかったのです。
二等兵物語」は続ける計画がなかった見え、敗戦・除隊で終わっています。中年の町の発明家、古川凡作(伴淳三郎)が招集されるのは昭和20年6月で、それから2ヶ月間の軍隊生活が描かれています。
内容には期待していませんでした。その通りで、面白い映画ではありません。私が見たかったのは兵営の描写でした。昭和30年に作られた映画ですから、セットも演技もリアルだろうと思ったのです。
大西巨人の「神聖喜劇」を読み、思い描いた軍隊生活がそこにありました。兵隊たちも、今の俳優では絶対に出せない軍隊の匂い(「臭い」という表記が似合います)を感じさせてくれました。稲垣足穂は兵隊はウ○コ臭いと、どこかに書いていましたっけ。
8月は多くの死者に取り囲まれた月です。