旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

欠本を補う

数年前に近所の古書店薄田泣菫「完本 茶話」(冨山房百科文庫)の上巻と中巻を買いました。ともに300円、20年以上前に出版された本ですから古びてはいますがきれいな状態で、安い買い物でした。
この本については2年ほど前に「ゴシップは蜜の味」というお題で、ここに書いたことがあります。お題の通り、「茶話」は彼の書いた詩の世界とはかけ離れたゴシップ集だったのです。今となってはゴシップそれ自体には意味はなくなっていますが、くすくすと笑って読める、それなりにおもしろい本でした。


下巻が欠けていたのですが、そのような本なので、探してまで求める気はありませんでした。どこかの古書店で見かけたら買えばいいと思っていたのです。が、偶然の出会いはありませんでした。
ときどきは欠本が気になりましたが、冨山房百科文庫は絶版になっていると思いこんでいましたので、書店に注文することはありませんでした。


ところが昨年、とある書店で冨山房百科文庫が数冊並んでいるのを見かけました。カバーが付いた装丁に変わってはいましたが、絶版にはなっていなかったのです。でも、そのときはなんだか買う気にはなりませんでした。


昨日、編集が高く評価されている「近代の超克」とともに「完本 茶話」の下巻をやっと買いました。どちらも1200円、高くはありません。しかし、すぐには読まないだろうなー。