旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

町の匂い

新しい畳の匂いで、子供の頃を思い出しました。
小学校からの帰り道の途中に畳屋があり、前を通るとイグサの匂いがしました。そこを左に曲がり少し行った染物屋からは、酸っぱいような匂いがしました。藍の匂いだったのでしょうか。
蕎麦屋の前には出汁を取った後の鰹節(「かつぶし」と呼んでいました)が干してあり、これはいい匂いでした。夕方に来る引売りのおでん屋の食欲を誘う匂いも忘れられません。
小学校の高学年になった頃から、町を嫌な匂いが覆うようになりました。原因は川の下流にあるビール工場の廃液でした。