2020-09-15 山本周五郎『夜明けの辻』 青空文庫で山本周五郎の『夜明けの辻』を読みました。『日本婦道記』は痛々しい思いで読みましたが、同時期に書かれたこの小説はただただひどいものでした。時代に迎合した天皇賛美のストーリーもそうですが、登場人物全員がお誂え向きの書き割りの前で、棒読みの台詞をしゃべっているようにしか見えないのです。不出来なプロパガンダで、小説ではありません。山本周五郎でさえこのようなものを書いていたのかと落胆しています。でも読まなかったよりはよかったと思っています。