入院中の三分の二は絶食で、点滴で栄養補給をしていました。点滴は抗生剤もあり、二十四時間針は刺しっぱなしです。
点滴がなくなり、重湯から食事が始まりましたが半分も食べられません。五分粥に変わるともっと食べられなくなりました。食べ物の匂いを嗅ぐだけで吐き気がするのです。
病院食が合わないのだと思い、医師に退院を早めてくれるよう頼みました。条件付きで許可されました。しかし家に帰ってからも食欲はありませんし、匂いも同じでした。
それが変わったのは薬が減ってからです。点滴に変えて二種類の抗生剤を飲んでいましたが、これがなくなると徐々に食べられるようになってきたのです。匂いも平気になったどころか、食欲をそそります。
どうやら抗生剤が味覚や嗅覚に作用していたようです。今は入院前とほぼ同じ量を食べています。
