旭亭だより

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徳冨蘆花『黒い眼と茶色の目』

日本の小説を数冊読んでいます。一番古いのは徳冨蘆花の『黒い眼と茶色の目』で大正三年に刊行されました。主人公、得能敬二は蘆花、徳冨健次郎自身がモデルで、彼の二十歳前後のことが描かれています。「黒い眼」は飯島先生(新島襄)で、「茶色の目」は敬二を翻弄する少女、寿代です。
序文は「吾妻(わがつま)よ。」の呼びかけで始まり、小説は「其翌年の春、二十七の敬二は二十一の処女と結婚した。」で結ばれます。
蘆花の母方の叔母の夫が横井小楠であることを、この小説で知りました。