旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

巨大な眼

屹立するビッグアイ

古川日出夫「聖家族」はまだ半分しか読んでいません。この本を出張のお供にしたかったのですが、あまりにも分厚いので断念しました。
この小説の主役は<東北>です。ですから、東北新幹線と江刺のホテルで読むのが正しい読み方なのです。


「聖家族」には東北新幹線沿いにある白石(恥ずかしいことに「しろいし」と読むことをこの本で知りました)と郡山が舞台となった章があります。これがめっぽう面白いのです。
そこに登場する、郡山の駅前にある西口再開発ビルには興味をそそられました。建物の上階に巨大な眼(ビッグアイ)があるというのです。それはどんなものなのか、以下に「聖家族」の記述を引用します。

このビルの最上部には、球体が埋め込まれている。二十階から二十四階まで、五階分のスペースを占有して、銀色の‥‥気象状態によっては鈍い白色にも輝いて見える、球が。四面のガラスの内側に嵌められた巨大な建造物として。
それはまさに、眼だ。

写真はそのビルです。新幹線の車内から撮ったので、はっきりとは見えませんが、本当に球体がビルに収められていました。
このビッグアイ、飾り物ではありません。中には、ギネスブックが地上からの高さが世界一だと認めたプラネタリウムなどの施設があるそうです。


「聖家族」のおかげで、東北六県の印象が一変しました。来年は毎月の出張の帰りに、東北の駅ひとつひとつに降り、散策したいと考えるようになりました。なに、観光名所などなくっていいのです。そこが東北であればね。


聖家族

聖家族