旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

色川武大「寄席放浪記」

「寄席放浪記」は落語家、色物芸人、コメディアン、チャンバラ映画に関するエッセーと、それぞれに対応した四つの対談からなっています。エッセーも楽しいのですが、人を得た対談が抜群に面白い本です。 落語家については矢野誠一、色物芸人に関しては立川談…

シミキン

「あちゃらかぱいッ」の本編は名前を残すことがなかった<あちゃらか>芸人列伝ですが、この本には彼らとは別格だった浅草の帝王シミキン(清水金一)を描いた「浅草葬送譜」も収められています。執筆は「あちゃらかぱいッ」の前になります。 私はシミキンと…

浅草がモダンだったころ

河出文庫から「あちゃらかぱいッ」に続いて「寄席放浪記」が出ました。色川武大の芸能に関する本が読みたかった私には何よりのプレゼントです。 「あちゃらかぱいッ」はその名の通り浅草で活躍したあちゃらか芸人たちの列伝でした。<あちゃらか>とはナンセ…

筋少、復活していたんですね。

NHK・BSで昨年の12月28日、中野サンプラザで行われた筋肉少女帯の復活ライブを見ました。 筋少のライブは武道館で一度見たきりですが、その時は広い会場を活かしきれていない、と感じました。今回はステージが狭い中野サンプラザで、復活ライブとい…

やっとCDを買いました。

もう2月も後半ですが、やっと今年初めてのCDを購入しました。ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド(RRFB)の新作「カラーブラインド」です。 本を読むのに時間を取られるせいでしょうか、音楽はあまり聞かなくなってしまいました。かろうじ…

言葉の力

高浜虚子の*1 去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの という句は大岡信の「折々のうた」で知り、ずっと心に残っていました。 この句に関するシンポジウムが開かれる夢を見ました。なんと俳句について何の知識もない私が、この句のリズムについて喋っている…

花の香りに

旭亭の沈丁花が咲き始めました。 私が花の香りを始めて覚えたのは沈丁花でした。その次は梔子かな。 庭のある家は数えるほどしかない下町では、家の前に植木鉢を並べて草花を楽しんでいました。沈丁花や梔子は(旭亭でもそうですが)そんな環境でもよく育ち…

朝から鼻歌

朝、鼻歌を歌っている自分に気がつきました。曲は桜田淳子の「しあわせ芝居」。 泣きながら電話をかければ バカな奴だとなだめてくれる で始まる曲です。 そういえばここ数ヶ月、この曲が何度か、頭の中で鳴ることがありました。 桜田淳子が歌う「しあわせ芝…

太陰暦

年来使い続けてきた手帳に、今年から太陰暦による日付が併記されるようになりました。年の初めのころはあまり気にもならなかったのですが、歴史小説を読むときに役に立つことがわかりました。 太陰暦には閏月があり、それによる日付が太陽暦の何日に決まって…

勤しみ励む

新聞の片隅の載るサントリーのウイスキー「山崎」の宣伝には多彩な人々が登場し、「山崎」を褒めちぎっています。驚くのは文筆をなりわいとする人たちの宣伝文があまりにも月並みなことです。 先日は唐十郎が登場しました。さすがにウイスキーの色をミイラを…

湯島通れば

神田明神を出て清水坂を上野方向に歩きます。 今回の「東京散歩」はテーマは「その前は何度も通っているのだけれど、中に入ったことがないところに行ってみよう」ですが、ゴールの湯島天神だけは違います。ただ、都内有数のラブホテル街を抜け、正面から境内…

お嬢 vs. 舟木一夫

湯島聖堂の裏手には神田明神(正式名称は神田神社)があります。 聖堂を出て明神下を通り神田明神に向かいました。神田明神下といえばご存じ銭形平次が恋女房のお静と住んでいたところです。 男だったら一つにかける かけてもつれた謎をとく あの歌が唇に浮…

檸檬の階段

ニコライ堂を出て聖橋を渡り湯島聖堂に向かいます。聖橋の名は両聖堂を結ぶことから付けられました。天気は快晴、少し風がありますが暖かく、とても二月中旬とは思えません。 江戸幕府の直轄の学校であった昌平坂学問所(湯島聖堂)に<裏口>から入ります。…

祈りの家 ニコライ堂

本郷通りを下って行くと右側にニコライ堂が見えてきました。ひとつめのチェックポイントです。 今までニコライ堂の後ろ姿を見て通り過ぎていた私ですが、手前を右に曲がり敷地に入りました。聖堂の入口で拝観献金300円を払い黄色のローソクとパンフレット…

第三回「東京散歩」(プレリュード)

今回の「東京散歩」は、「その前は何度も通っているのだけれど、中に入ったことがないところに行ってみよう」篇です。大層なお題ですが、コースを決めてから偶然そうなっているのに気がついただけです。ただし、終点は何度も行っているお馴染みの場所で「看…

木瓜の花が咲きました。

旭亭の木瓜の花が先週から咲き始めました。暖冬のせいなのでしょう、例年より一月ほど早い開花です。沈丁花の蕾もだいぶふくらんできました。 木瓜の花の朱色は深みのない色なので嫌う人もいるでしょうが、私は好きです。葉の明るい緑色とよく似合っています…

第二回【江刺寄席】速報

10月14日(日)、江刺体育文化会館・ささらホールで開催される第二回【江刺寄席】ですが、三遊亭王楽さんにプロデュースしていただけることになりました。進境著しい若手実力派、王楽さんの作る【江刺寄席】の番組、席亭である私もわくわくしています。 …

I Remember Clifford

フォギーが絶賛したローチ&ブラウン・クインテットが残したスタジオ録音のすべてはエマーシー・レーベルで聞くことができますが、私の一番好きな演奏はここにはありません。このジャズ史に残る双頭コンボ唯一のコンサート録音は何故かエマーシーではなくG…

フォギー、それは弟の方だよ。

奥泉光「鳥類学者のファンタジア」を読みました。これもまた「書評家<狐>の読書遺産」で紹介されていた本です。 約750ページの大作(集英社文庫版)でしたが、あっという間に読み終えてしまいました。奥泉の作品はだいぶ前に「『吾輩は猫である』殺人事…

朝焼けに送られて

水沢江刺駅6時36分発のやまびこ42号で東京に帰ってきました。江刺は小雨が降っていましたが、トンネルをいくつも抜け、お隣の一関に入ったころに朝焼けを見ることができました。 それを期待して東側窓際の席に座っていたのですが、目論見は見事に当たり…

先生

私はその人を常に先生と呼んでいた。 江刺に来ています。 いきなり漱石の「こころ」の冒頭を引用してしまいましたが、これにはわけがあります。実は私にも、常に<先生>と呼ぶ人が江刺にいるのです。 先生とお近づきになったのは昨年のことでした。馴染みの…

「東京散歩」の大敵来る。

先週、「いよいよ来たか」と薄々気がついてはいたのですが、昨日の帰宅時に確信しました。 杉花粉です。 私は四半世紀以上前からの筋金入りの杉花粉アレルギー患者です。人並みに春は好きなのですが、杉花粉が飛び回る季節ですので、大好きとまで公言するこ…

新道の向こうの店

屋台のおでんの買い喰いはおやつのようなもので、夕食のおでんはもちろん家で作っていました。 近所の人たちが<新道>(「じんみち」ではなく「しんどう」です)と呼ぶアサヒ会商店街を抜け、都電通りを渡った右側におでん種を製造販売する店がありました。…

おでんは屋台の味

デパートなどで高級な練り物を買ってきて家で作るおでんはもちろんおいしいのですが、子供のころに5円か10円で買い喰いをした屋台のおでんの味が今でも忘れられません。 下町にはおでんの屋台が多く、毎日どこかで見かけることができました。それらの屋台…

<大正>に殉じた人

久世光彦「蕭々館日録」を読み終えました。「書評家<狐>の読書遺産」で紹介されていた本です。 夜な夜な上野弥生町にある小島正二郎(児島蕭々)の寓居「蕭々館」に集まってくる一風変わった人たちを、5歳になる小島の娘、麗子の視点から描いた小説です。…

豆まきが好き!

今日は節分です。一年のうちで私の一番好きな日かもしれません。 日が少し延びてきて明日からは春。太陽暦ではあまり実感がありませんが、それでもなんだかウキウキしてきます。あっ、それと啓蟄も好きだなぁ。 子供の頃は「鬼はそと!福はうち!」と近所の…

あまりにもベタな夢

こんな夢を見た(漱石気取りです)。 私は若い英語の教師で評判のよくない高校に赴任しました。担任となったのはヤンキーの集まった1年生の男子クラスです。 (ここでもう結末がわかってしまいましたね。後は蛇足ですが、よろしければ最後まで読んでくださ…

4色ボールペン+α

昨年、一昨年と手帳用のボールペンは3色のものを使っていました。書き込む内容によって色分けができ、とても便利です。 取引先の某社から4色のボールペンをいただき、今年からそれに変えました。もう1色あったらいいな、と思うことがあったので、これもま…