旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

トシオとミホ(承前)

加計呂麻島に軍隊の基地ができるのは初めてのことでした。加計呂麻島は奄美群島の中でも最南端にあり、住民たちは自分たちの祖先は琉球からやってきたと信じていました。 我々はヤマトの人間ではない。そういう人たちの中に本土の軍隊がやってきたのです。村…

トシオとミホ

島尾ミホさんが25日に亡くなりました。 訃報を聞いたとき、不思議と悲しみはありませんでした。ミホさんは、最愛の夫トシオと長女マヤちゃんのところへとうとう旅だったのだな、そんな感慨だけが湧いてきました。 ミホさん、行ってらっしゃい。喪服は着替…

友と歌った「スーダラ節」

音楽を聞いていて、電気が走るような経験をしたことが二度あります。 クレイジー・キャッツの「スーダラ節」とビートルズの「抱きしめたい」です。 「スーダラ節」を初めて聞いたのは、NHKで日曜日に放映されていたドラマ「若い季節」の中でした。ザ・ピ…

おバカな席亭

「三遊亭王楽の天狗道場」終演後、王楽さんと【江刺寄席】の打合せをいたしました。 王楽さんは【江刺寄席】のプロデューサーなのですが、これは私の強引なお願いに、彼が気持ちよく応えてくれたものです。 王楽さんは現在出演者の検討中で、来月には番組が…

北国に春はまだ

江刺に行ってきました。 この冬、江刺では雪は降りましたが、積もることはありませんでした。この分なら辛夷が咲いているかも知れないと期待していたのですが、ちらほらと梅が咲き始めたところでした。 来月、江刺でもお花見ができると密かに楽しみにしてい…

甚五郎ナイトはいかがでしょうか。

中入り後の高座はサプライズ・ゲストの笑福亭鶴瓶師匠です。高座着の準備もない飛び入り出演で、鶴瓶師匠は藍色の浴衣姿で登場しました。 王楽さんのブログ「さんゆうていおうらくのはじめてのブログ」にその時の模様が活写されていますので、引用させていた…

喜瀬川には惚れちゃいけねえや

入船亭扇遊師匠の登場です。 ゲストが一名増えたせいでしょうか、マクラはあっさりと切り上げておはこの「お見立て」に入ります。 落語の演題は符牒に過ぎない、と言ってしまえばそれまでなのですが、この「お見立て」、演題で損をしているような気がしてな…

短冊はどこから

「第十六回 三遊亭王楽の天狗道場」、開口一番は三遊亭かっ好さんの「寿限無」です。 かっ好さんは昨年の【江刺寄席】でも開口一番をつとめてくれました。半年ぶりに聞くかっ好さんですが、成長の跡がうかがえます。 会場をほんのりと暖め、王楽さんにかわり…

びっくりしたな、もう!

昨日、「第十六回 三遊亭王楽の天狗道場」に行ってきました。 王楽さんは一席目の「崇徳院」の冒頭で、サプライズ・ゲストがあることを予告しました。中入り後、その人が舞台に登場すると同時に、会場全体が歓声に包まれました。もったいぶらずにその人の名…

滝川とは誰か、再び

昨日と同じお題ですが、まったく違うは内容でご機嫌をうかがわせていただきます。 落語には「崇徳院」以外にも和歌を題材にした噺があります。私が知っているのは「千早振る」だけですが、「陽成院」という噺もあるそうです。 「千早振る」で珍解釈をされた…

滝川とは誰か

落語「崇徳院」で、お嬢さんが残していった短冊に書かれていたのは、崇徳院の和歌の上の句「瀬を早み岩にせかるる滝川の」でしたが、滝川という言葉を聞くと思い出す歌があります。それは中島みゆきの「誰のせいでもない雨が」で、アルバム「予感」に収録さ…

お花見は延期

22日は【江刺寄席】の打合せを兼ねて、三遊亭王楽さんの独演会に行くことになっていましたので、その前に飛鳥山でプチお花見をしようと計画を立てていました。ところが、この寒さで、桜の開花がだいぶ遅れそうです。 「えーい、しょうがねえや。こちとら(…

誠に申しわけありません。

3月は年度末の会社が多いせいか、注文がぐっと増えます。今年もそうなりました。 先週もたくさんのお問い合わせをいただいたのですが、月内納品のご発注にはお応えすることができなくなってまいりました。 ご発注をお断りしましたお取引先には、心からお詫…

櫂のしずくも

この季節になると、若いミュージシャンたちの桜を歌った曲のリリースが続くことが、ここ数年すっかり定着しています。といっても、私がCDを持っているのはケツメイシの「さくら」だけで、関心はありません。 ちあきなおみの「花吹雪」は大好きです。小柳ル…

人間、首尾一貫していないとね。

ATCにおける私の重要な仕事に、電話番があります。取引先からの電話は大歓迎なのですが、断っても話し続けるセールスの電話は実に迷惑です。そのほとんどが電話屋と証券会社で、仕事の邪魔になるほどしつこくかかってきます。 電話屋で一番多いのがソフト…

ケッ、ここでも<世界観>かよ!

昨日の読売新聞夕刊に、久しぶりの新曲「花火音頭」を出した橋幸夫のインタビュー記事がありました。そこで彼は「この(故郷で家族や地域の人々が深く結びつくという − 引用者注)世界観を継続して歌っていこうと思ったのです」と語っています。 <世界観>…

目覚めてそして

朝型の私ですから「旭亭だより」も朝のうちに書いています。 ブログはウェブ上の日記ということで、夜間に更新されるものが多いようです。私も「昨日はこんなことがありました」という書き出しが気になり、夕食後に更新してみたことがありますが、どうも自分…

夢の抜け殻

早寝早起きが習慣となっていて、起床時間はかなり早い私です。床に就く時間はほぼ一定で21時前後ですが、起床時間には幅があります。今日は4時でしたが、だいたい3時から5時の間に目が覚めます。これは休日でも変わりません。 目が覚めて、布団の中でう…

乾燥肌

2年前からでしょうか。この季節になると皮膚が乾き、痒くなってきます。 昨年はお腹のあたりがそうなり、掻いていたら皮膚が黒ずんできました。「これは大変だ」と、タウンページで調べ、会社の近くの皮膚科医院に行きました。 医師は高齢で、和田勉に似て…

バレ話は難しい。

大西巨人の著作は買いのがすとなかなか入手できないので、新刊が出るとすぐに購入するようにしています。が、「五里霧」は出版されていたことを知らず、先月書店で見つけて手に入れました。 緻密で古風な文体で描かれる大西の性描写は、おそらくは彼の意図す…

辛夷の花が咲きました。

旭亭の近所の公園の辛夷の木が花をつけました。 隣の立川市は辛夷を市の花としていますので、市内のあちこちの公園で辛夷の木を見ることができます。しかし、日野市は市の花が菊のせいか、公園には辛夷がほとんどありません。 この公園の辛夷もたくさんのソ…

飛鳥山でお花見を

東京のソメイヨシノの開花予想日が18日と発表されました。さてそうなると、なんだかそわそわしてきて、頭の中ではサディスティック・ミカ・バンドの「お花見ブギ」が鳴り響きます。 さて、今年はどこでお花見をしようかな。 「東京散歩」を兼ねて、まだ行…

たまには経営者らしいことを

体調を心配するメールを何通かいただきました。ありがとうございます。 鼻水が出て、喉が多少痛みますが熱は上がらず、昨日は普通に勤務してきました。もう大丈夫です。 昨日は「旭亭だより」に記しましたように2月の月次決算をしていました。ATCには事…

かぜをひいたみたいです。

体がだるく、昨日は早めに仕事を切り上げました。熱も出ず、昨晩は熟睡できたのですが体調はよくありません。 かぜには罹りにくい体質だったのですが、昨年の11月にもこんなことがあり、年齢を意識せざるを得なくなってきました。 でも、会社を休むほどで…

ルーツはローキョク・ミュージック

プロのミュージシャンになり、インタビューで「あなたの音楽のルーツは何ですか」というお約束の質問をされたら次のように答えようとずっと考えていました。*1 「祖父がラジオで聞いていた浪曲が子守唄がわりでした。ビートルズとか言ってカッコよく決めたい…

噺家修業

先日、先輩の着物をたたむ前座の落語家になった夢を見ました。たぶん、風間杜夫や南原清隆が演技としてではなく、落語家として寄席などに出ていることが気になっていたからでしょう。 落語家には憧れますが、自分が落語家になってみようと考えたことはありま…

ゲーデルの「不完全性定理」を買ってしまいました。

若いころは読みもしない難解な哲学書の類を本棚に並べて、背表紙を眺めては悦に入っていましたが、最近はそういったことはなくなりました。身の丈にあった本だけを買うようにしています。 しかし先日、悪い癖が出てゲーデルの「不完全性定理」を購入してしま…

酒のことなど

酒が好きです。 無頼な生きかたを望んでいるわけではないのですが、休肝日を設けるという考えには与せず、ほぼ毎日酒を飲んできました。 それがどうしたことか、家では飲まない日々が続くようになりました。仕事上の飲み会や酒を飲む友人と会うときには、つ…

大丈夫かな?

先日、とうとう呆けが始まったのかな、と考えさせられた出来事がありました。 都内で飲み、帰宅のため中央線の特別快速に乗りました。途中から座ることができましたので、文庫本を読むことにしました。酒を飲んで眠りこけ、下車する駅を通り越してしまったこ…

セシル・テイラー!

昨日立川で飲んでいて、こんなことはほとんどないのですが、隣り合わせたご夫妻と話が盛り上がりました。 私の大好きなジャズ・ピアニストの山下洋輔さんは立川に住んでいるのですが、ご夫妻は山下さんの近所に住んでいておつきあいがあり、先日も東京オペラ…